大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和27(オ)670 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

論旨第一点は、自創法第四条第一項にいわゆる同居の親族とは、生計を同じうす

る一世帯内の親族のことであつて、たとえ、同一家屋に居住し食事を同じうするも

生計を別にする独立の世帯主は同条にいう同居の親族ではないとの見解の下に原判

決が証拠によつて認めた事実すなわち上告人か農地、山林、預金を所有し、自己の

名義で石材採掘販売業を経営している事実、諸税の賦課、諸物資の配給等は、同居

の父Dとは別に上告人名義でなされていた事実及びDとは、別個の世帯として取扱

を受けていた事実より観れば、上告人はDとは明らかに生計を別にし同人とは別個

の世帯主であるから上告人は同居の親族でないものと解すべきであるにも拘らず原

判決は上告人をDの同居の親族と断定したのは、法律の解釈を誤つたか、判決の理

由に齟齬があるもので違法であるというにある。

所論法条にいわゆる同居の親族とは、住居を一にする外に生計を同じうする親族

の意味であることは、所論のとおりである。しかしながら原判決は、上告人に右判

示のような事実があるとは言え、その挙示する証拠によつて上告人は、大正一四年

一月二二日生れの青年で、本件買収計画樹立当時は独身であり独立世帯としての固

有の世帯道具もなく、配給物資等は、父Dの分と一括して受けており、食事もDと

共にしていることが認められるとし、従つて上告人は実質上はDと同一世帯内にあ

つてこれと生計を同じうしているものと断定したのであつて上告人がDと生計を別

にしていると認めながらこれを同居の親族と判断したものではないから論旨は理由

がない。

第二点について。

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前段にいわゆる生計を同じうするとは、衣食住の生活において相互扶助関係の強

い親子か、所論原判示のような事実関係の下で、同居しているような場合をいうも

のと解するを相当とし、原判決も結局これと同趣旨に出てたものと解すべきである。

所論は生計に関する右と異る独自の見解の下に、原判決に所論の違法ありというに

過ぎない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官真野毅は出張につき署名押印することができない。

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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